人口減少と高齢化が止まらない。
そんなことはもう何十年も前から言われているが、いよいよだなと思うタイミングがある。そんな中、少し気になったのが市町村の合併。
人口が少ない都市同士が合併することのメリットデメリットを考えてみる。
否定をするつもりではないが、少し懐疑的に思っている節がある。「合併 メリット 市町村」で検索した。
丨メリット
・市民の利便性向上
・行政サービスの高度化と多様化
・広域的なまちづくり
・行財政の効率化
・地域のイメージアップ
ざっとこんなことが書かれていた。そもそもの話だが、均一性のあるメリットが並ぶ時点で少し怪しいと思ってしまうのは自分だけだろうか。
十人十色ではないが、百市町村百色と思っているので合併の弊害は色んな所で表面化していないことも含めてたくさんあるのではないかと思う。
もちろん上記に記載したような、よかったこともたくさんあるとは思うが。
丨デメリット
・行政区域の拡大による住民と行政が遠のく
・地域感格差
・中心地域の施設集中
・歴史、伝統、文化、地名の消失
一方のデメリットを見るとまあそうだな、ということが並んでいる。ヒトモノカネの少ない土地がくっ付くわけだから、なにかと遠のくのは当たり前だし、失うものは簡単には戻らない。余程のことがない限り、時間とともに歴史は書き換えられ、風土は失われる。
うーん、と思う。
なぜこんなことが気になったかというと最近コンパクトシティという言葉をよく聞くからである。コンパクトシティとは
コンパクトシティ(英: Compact City)とは、都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策のことである
出典元:コンパクトシティ – Wikipedia
市街地に機能も住居も混在させて、職住近接な街にしましょう。車ではなく、公共交通手段か自転車か徒歩。交通利便性もいいし、効率的な街になります。コミュニティも再生させましょう。
そんな感じだろうか。
確かに祖母の家もそうだが、除雪が問題の地域や税収が見込めない地域、交通弱者問題など、解決できることは多く、良い部分もあると思う。新潟県小千谷市にも中心街があって、昔は毎日人が大勢歩いていた商店街も今はよくあるシャッター街。喫茶店をやっていた叔父もつい先日お店を畳んだ。そんな商店街がもう一度賑やかになってほしい気持ちは当然ある。ただ、まちづくりってそんな感じでうまく運ぶんだっけ?とも思う。
wikiにも書いてあるけど、すでに拡大した郊外をどう考えるんだっけ?市街地に引っ越した人の家は買い手が付くんだっけ?市区町村が買ってくれるんだっけ?そんなお金があるならコンパクトシティなんてしないはずだよね?といろいろ出てくる。
丨理想の範囲とは
東京、大阪、福岡など主要都市と言われる場所は日本の中でコンパクトシティに近い都市らしい。ただ東京はコンパクトなのか、と疑問。確かにJRやメトロを始めとした公共交通手段で街が繋がれていて、徒歩や自転車でも移動が簡単にできる。行政もたぶん日本の中では悪くない。
インフラ面でのコンパクトシティの条件を満たしているから、確かに東京もそうなのかもしれない。ただそうだとしても、非常に大規模なコンパクトシティである。そしてコミュニティが抜け落ちている。東京という粒度のコミュニティがどこかにあって、「東京プライド」を持っているかというと特にそうではない。
東京はcityではなくstate。一生活者の目線では「都」はスケールが大きすぎるのだ。地方都市もそうだが、東京は本当はもっともっと小さい単位、小さな範囲が大切なのでは、と思う。区よりも小さい範囲。いま、とても町内会と小商圏に興味がある。
自分が街の粒度として大事にしていきたいのはいわゆる町名の部分。実家であれば「中目黒」だし、今であれば「玉川台」。今度の引っ越しを機に町内に関わっていく動きをしていければと思っている。自分がその一部として参加・活動できるコミュニティの範囲はそれくらいがきっと限界で、逆にその粒度がきちんと機能している自治体はいい街だと思う。理想的な範囲である。町という粒度でそれぞれが機能しているとその連続で区の粒度→市→都などとなっていくのかもしれない。ちょっと理想論すぎるかもしれないが。
丨複合と混合
少し戻るが、コンパクトシティは複合させることだと思う。市街地に住居と都市機能を集積させてインフラを整えて、という計画は良いが、それが条件と計画の混合になってしまうと不文字通り機能不全になると自分は思う。微妙なニュアンスだが、compositeとmixの違いというか、似た言葉だけど、意味が大きく違うと思っている。ひょっとして時間軸の違いかもしれない。複数のものが混ざり合っている状態の混合と、複数が噛み合って一つになった状態の複合。すべて順調なコンパクトシティはきっとまだなく、始まったばかりのコンパクトシティ化はいま混合状態なのかもしれない。ただ、混合が複合へ変化していくには市民の理解や協力が不可欠で、市民が参加してはじめて複合都市として機能するのではないか、と思う。
自分でも応用できる範囲と術を考えていきたい。